オオカミ少年、悪いの誰だ?

こんばんは、救急科医師の久津(くづ)です( ̄▽ ̄)

どこの救急外来にも”常連”と呼ばれる人たちがいる。だいたいが高齢者で、いろんな訴えがあって、検査をしても何もない。そして何度も救急外来にやってくる、しかも真夜中に。

老人性うつの一種なのだろう。彼らは話が長くて、症状も二転三転するし、はっきり言ってやっかいな患者だ。そんな常連患者の一人、80代の女性が救急外来にやってきた。

研修医の大熊が冗談めかして言った。

いつも来るおばあさんまた来ちゃいましたねー、こんだけいつも来てくれるから割引しなきゃですねー。

研修医 大熊


大熊は典型的な体育会系の人間で、いつも明るいのが取柄だが、このときの態度はよくないと久津は思った。

救急科医 くづ

オオカミ少年の話しってるよな?大熊。あれは世間一般には嘘つきの少年が悪いことになってるが、医療業界では助けに行かなかった村人が悪いんだ。いつもと同じ訴えで来ていても、普段と違うことがないか丹念に診察しろ。80代のばーさんなんだ、いつか本当に病気になるときが必ずやってくる。そのときに見逃しちまうぞ。

 

すると別の研修医の露木が遮ってきた。

でもくづ先生、一番悪いのはオオカミですよね?

研修医 露木


あ・・・、うん・・・、そうだよね。一番悪いのはオオカミだよね。でも今はそういうことを言う状況じゃないやん。常連患者も油断せず診察しよう、っていうたとえ話やんけ。

久津渾身のたとえ話は微妙な感じになり、常連患者にした色々な検査も結局全部陰性で、まったく説得力がなく終わりましたとさ。おしまい。

4 Comments

yagawafuyu

はじめまして。
不覚にも、毎回くすっと笑ってしまいます。おかげさまで医者アレルギーが治りそうです。これからも楽しみにしております。

返信する
kuzu-doctor

fuyuさん、コメントありがとうございます。これからもある程度不真面目に頑張ります(笑)

返信する
dr_susie

はじめまして。
大阪で消化器内科やっております。
常連さんいらっしゃいますよね^^;
何もなさそうでも、検査しないわけにはいかないし。このジレンマ研修医に伝わるのは時間かかるかもしれないですね。。
楽しく読ませて頂いております。
頑張ってください!

返信する
kuzu-doctor

同業者さんからも楽しんでいただけるのは嬉しいですね♪
検査・・・しないわけにはいかないんですよねぇ。
検査を省こうとする研修医をいつもこうやって指導してます。
今回は・・・あれでしたが(笑)

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。