何度も蘇るおばあちゃん

こんばんは、救急科医師の久津(くづ)です( ̄▽ ̄)

92歳のおばあちゃんが、呼びかけに反応がなくなった、といって救急車で運ばれてきた。

救急隊員が駆け付けたときにはすでに心臓が止まっていた。病院についてから、強心剤を使い心臓マッサージもしたが心臓が動き出すことはなかった。

死因は分からなかったが92歳である。大往生と言っていいだろう。死亡確認を行うため、かけつけた娘と孫を初療室に呼び入れた。

お母さん!わたしよっ。

おばあちゃんっ。

 

久津は二人が落ち着くまで死亡確認は待つことにした。救急外来は今日も忙しかったが、最期くらいゆっくり話しかけさせてあげたかった。

と、そのときである。突然心電図が波打ち始めた。しかも心拍数60/分くらいの綺麗な波形である。これは絶対にノイズではない。

あまりの衝撃に、久津は呆然とモニターを見つめる。娘・孫も何事かと久津を見つめる。

とすると心臓の脈がみるみるうちにゆっくりになり、再び動きを止めた。

お母さんっ。

おばあちゃんっ。


再び綺麗な波形。

 

なんだこれ。本当に聞こえてるのか。心臓は止まってるのに脳だけ生きているなんてあり得ないはずだが。

こんなやり取りを繰り返し、たっぷり一時間経ってから死亡確認した。その間に息子と別の孫達も到着し、親戚7人に見守られておばあちゃんは逝った。

なんとも奇妙な夜だった。

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