最期の肉

こんばんは、救急科医師の久津(くづ)です。

80代の男性が、高級焼肉店で肉を喉に詰まらせてしまった、といって救急車で運ばれてきた。救急隊が患者に接触したときには、すでに心臓が止まっていた。

救急隊は現場で肉を取り除こうと試みたが、不可能だったらしい。しかも焼肉店はデパートの最上階にあって、病院に搬送するまで20分もかかった。

病院につくなり、久津はマギール鉗子で5秒とかけずに詰まった肉を取り除いた。しかし蘇生することなく患者は死亡した。窒息を解除するまでに時間がかかりすぎていたのだ。

救急隊が久津と同じ技量を持っていれば患者は死なずに済んだだろう。だがそれは言っても仕方がないことだ。何より詰まった肉には程よくサシが入っており、最期の食事としては申し分がないものに見えた。

いいではないか。美味しいものを食べて死ぬ。長く闘病生活をすることもない。家族に介護をさせることもない。

人はいつか死ぬ。それはコントロールしきれることではない。いつ死んでもいいように、全力で、その瞬間を生きる。それこそが重要だ。

7 Comments

志保

いつも興味深く拝見しています。というか心の安らぎです。
窒息で脱力状態だったりハイムリッヒとか、時には掃除機だったり、状況により手段はあるかもしれません。先生が使ったマギーは救急隊の方もお持ちですか?手技だけのの問題ですか?私は逆さ吊りで運良く助けた事はありますが。結びの文は同感です。

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kuzu-doctor

いつも読んでいただきありがとうございます。
いつもマギール鉗子で事足りてしまうので掃除機は試したことがないですね・・・
マギール鉗子は救急隊の方も持っていますがなかなかうまくは使えないことが多いです・・・

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志保

大変忙しい中返信頂けるとは、ありがとうございます。感激で、少し早いクリスマスプレゼントでした。調子に載って、追加、掃除機は、精神科で習いました。正月に餅を詰まらせる方が有るので、掃除機にホースを接続して1箇所穴をあけ吸引圧を調整します。流石に普通に常用の掃除機は使えませんから、窒息専用に接続部とホース部分を常備していざという時、掃除機に接続してました。餅は粘ちょう性が有るのでポイントゲットに。あまり参考なはならないでしょうが。ふぅ〜んと息抜きして下さい

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志保

文字にしていい加減ではいけないと調べたら、日本気道食道科学会でも窒息時の掃除機対処が掲載されてました。隙間ノズルだったり(吸引圧が強いと肺損傷するので注意)又、今は窒息吸引用掃除機ノズルも市販されている事を知りました。この機会に勉強させて頂きありがとうございます

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志保

くづ先生、140文字で表現するのは難しいですよね。先程は生意気言ってごめんなさい。これからも楽しみにしています

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Dr.アキラッチョ

ブログ村で知りました。臨場感あふれるブログ、いつも楽しみにしています。
お忙しいのにブログ更新を怠らず、同業者としてその点は本当にすごいなあと思います(笑)
これからも応援してます!頑張ってください ^ ^

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kuzu-doctor

くだらないことばっかりのブログなのにありがとうございます!
医学的なことでおかしなところがあったら是非ご指摘ください!

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