干支一回り分もサバを読み続けた女

こんばんは、救急科医師の久津(くづ)です( ̄▽ ̄)

ある日の真夜中、おばあさんが内縁の夫に連れられて救急外来に突然やってきた。内縁の夫であるおじいさん曰く、最近認知症が進んでしまった、なんとかして欲しい、とのことであった。

そんなことを救急外来で要求されても困る。救急外来はあくまで緊急性の高い疾患を診察・治療する場。そのことを説明し翌日神経内科を受診するように説得を始める。

こんな状態のを連れて帰っても仕方ないよ、一泊だけでも、と食い下がるおじいさん。話が長引きつつあるところに、事務が入り込んできた。

あの、お話し中すいません。もう一度年齢を確認したいのですけど、76歳ではなく88歳ですよね?

事務

・・・

おばあさん

ん?いや、おれと同い年だから76歳だよな?あれ?まだ75歳だっけ?

おじいさん

でもこの保険証の生年月日だと88歳ということになるんですが・・・

事務

・・・?

おじいさん


保険証を見てフリーズするおじいさん。

 

ややあっておばあさんが話し始めた。

昔○○さんと結婚させられそうになったとき、××さんに20歳って言えって言われて・・・年の差がありすぎる、って理由で断ればいいって言われてさ。それでそのままになっちゃって、あんたには言ってもよかったんだけど、なんとなく言えないままになっちゃって・・・

おばあさん


フリーズし続けるおじいさん。無理もない。おじいさんが21歳の頃からなんと55年も騙され続けていたのだ。

ねぇ、ごめんね?びっくりした?

おばあさん

・・・そりゃあ・・・びっくりしたよ。

おじいさん


緊急でじっくり話し合う時間が必要になったらしく、あんなに希望していた入院の「に」の字もなく、2人はすぐに帰っていった。

 

サバを読み続けるためにあえて結婚していなかったのだろうか。あと少しでこの秘密を墓場まで持ち込めたというのに。

いい女はボケてはいけない。そう思った久津なのであった。

2 Comments

忘れん方

朝何時に起きたとかどうでも良い事は覚えていて、年賀状を書こうとして郵便番号、あれっ?て感じで忘れてます。コメント書きたい!って思いながら電話に出て忘れてしまい、夜中に目覚めて思い出してます。

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