アニサキス、入れといたから

こんばんは、救急科医師の久津(くづ)です( ̄▽ ̄)

50代の男性が、サバの刺身を食べた後にみぞおちが痛くなった、といって救急車で運ばれてきた。

サバやイカの刺身を食べた後の腹痛と言えばアニサキスである。アニサキスとはサバやイカに寄生する寄生虫だ。人間がアニサキスごと寄生されたサバやイカを食べると、稀にアニサキスが胃や腸にかじりついて腹痛を引き起こす。

胃カメラをしてみると・・・いるわいるわ。白いヒモ状のアニサキスが10匹以上。悪戦苦闘しながらなんとか全部取り除き、無事症状も収まった。


取り除いたアニサキスを患者に見せるため、生理食塩水の入った透明のケースに入れておいた。何の気なしにそのケースに目をやると・・・なんとまだ動いている。恐るべし生命力。なんでもしめ鯖や不十分な冷凍のサバやイカの中でも生き残ることがあるとか。

 

そこに研修医の大熊がやってきた。

やー、ヤブ先生、大変でしたねー。汗かいちゃいましたよ。

研修医 大熊


そういって大熊は手にもった2Lのペットボトルのミネラルウォーターをラッパ飲みする。

自分が胃カメラを施行したわけでもないのに、一仕事終えた雰囲気を出す大熊。お前は患者を抑えていただけだろーが。

少しイラっとした久津は言い放つ。

救急科医 くづ

あ、すまん。それ大熊のだったのか。いい容器なくてそこにさっきのアニサキス入れちゃったよ。
ぶぅっっっーーーーーー!!!

研修医 大熊


マンガのようにに水を吹き出す大熊。人が吹き出すところって初めて見た。

救急科医 くづ

きったねーな。
嘘っすよね!?さすがに嘘っすよね!?

研修医 大熊

救急科医 くづ

アホか、嘘なわけねーだろ。安心しろよ。
えっ、どっち・・・あ、なんかお腹痛くなってきたかも。

研修医 大熊


その後もひとしきり大熊をいじめて疲れを癒した久津であった。

 

ちなみにアニサキスによる腹痛は、直接噛みつかれた痛みではなく、アレルギー反応によるものだという説が有力である。なのでアニサキスに胃を噛みつかれても、症状が出ずにそのまま消化する人がいるのだとか。

今回新鮮なアニサキスが取れたので、それを実験するよいチャンスであった。本当に試してみればよかったなぁ。おしまい。